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2022年12月23日 (金)

二学期終業式式辞

大掃除ご苦労様。今年も一年間の埃をきれいに洗い流せただろうか。それぞれがいろんな意味の埃を払って次のステージへ進めたらと思う。新たな気持ちで,次の年を迎えられたらと思う。

さて,最も動的なかつ長い二学期を各個人ではどう振り返るだろうか。大雨,そしてコロナの影響もあって,体育祭は,残念な形だったが,次の文化祭も含めて,出来る範囲の中でそれぞれ最善を尽くしてくれたと思う。芸術鑑賞会や薩摩半島縦走,甲南塾なども含め,それぞれで振り返り,それぞれの糧にしてもらえたらと思う。また,選抜されたメンバーによる1年生のつくばでの研修も初めて行うことが出来た。参加した諸君の研究に取り組む姿勢や質疑など高く評価されたと聞いている。コロナとの共存,まだまだ続くが,防止の意識は持ちつつも,いたずらに恐れるのではなく,前に進みたい。

先程,多くの表彰を行った。一つ一つコメントしたいくらい,実は様々な活動が凝縮されている。思いを語って貰ったら,1時間以上かかるかもしれないが,学校とは,そういう個性の花咲くところであり,それぞれの方向性も異なるが,可能性の塊である君たちを預かっていることには変わりなく,それらの進むべき方向として最大公約数的に掲げてあるのが,校訓であり,教育目標の「地球規模でものを考え行動するリーダーの育成」だ。しかしながら,方法論も沢山ある。どうすることが力を伸ばすことになるのか,個人差もいろいろあるだろうと思っている。朝課外についても,生徒総会でも話してもらったが,まだ生徒会からの報告は聞いていないが,意見はいろいろあるだろうと思う。会長の有馬君とは,夏休みに,調べてくれたことをパワポにしてプレゼンを受けた。新聞報道では,未だに時代錯誤的な課外をやっているのはおかしい,といった論調も見られるが,考えてほしいのは,先の甲南塾の感想を君たちに伝えた中でもいった,正しい情報を見極めるということ。全国や九州の校長会が3年ぶりに再開され,直接話を聞くと,九州で鹿児島だけ,というのは正しくないことも知った。また,その功罪についてもいろいろあることも知っている。おそらく,学級内の議論でもそうだろうし,校長室でのPMPMの際にも,廃止すべきでないという意見も聞いた。極論を言えば,力をつけられるのならば,いずれでも良い。そういった場を提供はするが,利用しなければそれでも良い。ただし,自己責任が伴うものだということだ。二年生には,ちょうど1年前の冬の課外講座で話した,一年生にも今年話す中にも予定しているが,実存主義の哲学者サルトルの「自由の刑」の話があった。我々人間は,自由の刑に処せられているという表現,ここでいう自由とは,どんな者にでもなりうる自由,誤解を恐れずに言えば,繁栄しようが没落しようが,自分の意思でどちらにもなれる自由ということだ。

課外の廃止については,単純な廃止だけでなく,その代わりにどうするといったことも含めて,まだ検討する必要があると思うし,周りから言われるものではなく,引き続き行っていくことを含め,真に君たちに役立つ形を考えたい。

もう一つだけ,寓話の話をする。「三人のレンガ職人の話」というもので,出典はイソップ童話だ,ドラッガーだと諸説ある。ある旅人が,道を歩いて行くと,レンガを積んで壁を創っている人にあった。「何をしているんですか」と聞くと,彼は,手も荒れ,疲れ切った表情で「見ればわかるだろ,レンガを積んでるんだ,重労働で大変なんだ」と愚痴をこぼしていた。しばらく行くとまたレンガを積んでいる人にあった。同じように聞くと「壁を創っているんだ。俺は,これで家族を養ってるんだ」と穏やかな表情で答えた。もう少し行くとまたレンガを積んでいる人に会う。彼は生き生きとした表情で胸を張ってこう答える。「歴史に残る大聖堂を創っている。」と。同じ作業でも,意識のあるなしでこうも違う。賢明な君たちには,多くの補足は必要ないであろう。捉え方だろうし,一方で,実際に,従事することが役立つかの吟味は必要だが,甲南で取り組む様々なことが「地球規模でものを考え行動するリーダー」につながるのかは考えて,動いてほしいと思う。

年末年始,3年生にとっては共通テスト試験まで21日だ。例年のことだが,軽佻浮薄な世相を超越して,直前まで努力を継続し,悔いのない結果を残すための時間を送ってほしい。先輩たちがみせてきたこの直前の伸びは,きっと君たちも果たしてくれる。君たちには,伸びしろしかない。

 1,2年生の諸君,年末年始は自分見直しには,うってつけの時期だ。この12月は4月からこれまでの自分の学校生活を振り返り,1月から3月までの締めくくりの学期に何をするのか考える良い機会になると思う。

 そして,何より大切なのはきちんと行動に反映させる力を備えるということだ。君たちに常々話している,理念としての世のため人のためという志,それを実現していくための知識,そして知を行動に移すということだ。先程述べた理想像にもつながることである。

新しい年に期待し,それぞれが飛躍することを期待して,終わります。

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