03-8 上原先生パリだより Feed

2021年6月18日 (金)

ノートルダムの「バラ窓」

芸術・美術工芸を担当している上原です。

以前、鹿児島県美術留学生としてフランス留学した時の様子やノートルダム大聖堂の火災について当ブログでお伝えしました。

「我らの貴婦人」よ、美しい姿をもう一度!(2019年4月23日)

そのノートルダム大聖堂、復興に向けて工事が進められているようですが、やはり世界的なコロナ禍の影響で遅れがあるようです。

火災以前の、中の様子を撮影した写真がありましたのでご紹介します。

ゴシック建築を代表するパリのノートルダム大聖堂。火災で天井は崩落してしまったようです。

3

(2015年6月、上原撮影)

美しいバラ窓(ステンドグラス)は消失を免れたようです。

1

(2015年6月、上原撮影)

2

(2015年6月、上原撮影)

1日も早い復興を祈るばかりです。

2019年4月23日 (火)

「我らの貴婦人」よ、美しい姿をもう一度!

芸術・美術工芸を担当している上原です。

私は、2015年4月から2016年3月までの1年間、鹿児島県美術留学生としてフランス・パリに留学しました。その間、フランスでの生活の様子などを当ブログ(カテゴリー 03-8 上原先生パリだより)で紹介いたしました。

留学中住んでいたアパートのすぐ近くに、パリのシンボルのひとつであるノートルダム大聖堂がありました。1804年にナポレオンが戴冠式を行うなど歴史の大舞台ともなったノートルダム大聖堂は「我らの貴婦人」と呼ばれ、フランス人の心の拠り所でもあります。

そのノートルダム大聖堂で現地時間4月15日夕方、火災が発生。約15時間燃え続け、屋根や特徴的な尖塔が焼け落ちました。その様子は世界中に発信され、テレビやインターネット等で多くの方がご覧になったことと思います。

1年間毎日眺め、多くのスケッチを行なった私としても大変ショックでした。バラ窓(ステンドグラスの窓)や宝物の多くは消失を免れたようですが、美しい姿、800年の歴史が失われてしまいました。

写真下:鎮火後の様子。高さ90mの尖塔が無くなっています。

Photo_4

(今年度の美術留学生・繁昌絵美さん提供画像)

フランス政府はノートルダム再建を表明していますが、その方向性は議論を呼びそうです。

どのような形で再建されるかわかりませんが、いつの日か再びあの凜とした姿を私たちに見せて欲しいです。

0

(2015年7月、上原撮影)

2016年12月 2日 (金)

上原先生の滞欧作品展(市立美術館)絶賛開催中!

現在、上原先生(美術科教諭)の滞欧作品展が市立美術館で開催中(12月4日まで)です。

皆さんも哀愁ただよう欧羅巴(ヨーロッパを漢字で書いてみました。作品を見たらなぜか漢字が浮かびました)を味わってみませんか。

Dsc01183_2

滞欧作品展開催中、上原先生は常駐されています。いろいろ楽しい話も聞き放題です。

遠慮なく、話しかけてみてください。欧羅巴での留学生活のことがいろいろ聞けますよ。

Dsc01212_2

風景画には欧羅巴の歴史と伝統のある重厚な時間と空気のながれがありました。

路地が描かれた作品からは石畳に響く靴音や庶民の息づかいが感じられました。

一方では、息をのむやや抽象的な挑戦的な作品もありました。

どの作品もみごたえがあります。

あなたもしばし豊かな時間を味わってはいかが。

テストの疲れがきっと癒やされますよ~

9:30~18:00までです。入場無料です。

Dsc01185_2

2016年11月28日 (月)

上原先生の美術個展が開幕します!!(鹿児島市立美術館)

本校美術科教諭 上原直哉先生の滞欧作品展が明日から開幕します!

上原直哉先生は、南日本美術展で第20回吉井賞に輝き、昨年4月から1年間、パリ等に欧州留学されました。

今回の作品展では、欧州での力作(水彩画・油彩画)50点ほどが展示されています。

是非、この機会に市立美術館で本物の芸術を!

※滞欧作品展「水のながれ 時のうつろい」

  場所 鹿児島市立美術館

  期間 11月29日(火)~12月4日(日)

      9:30~18:00

  ※  入場無料

展覧会ポスター koten_poster.jpgをダウンロード

2016年6月 7日 (火)

パリの洪水

ニュースで報道されていますが、フランス・パリのセーヌ川が氾濫。大きな被害が出ているようです。昨年度、フランス留学をした美術の上原先生にパリ在住の友人から写真が届きました。

写真下:コンシェルジュリ(マリー・アントワネットが幽閉された牢獄跡)前

1_2

少し水量は下がったとのことですが、それでも通常よりかなり水位が高いです。橋の上にはたくさんの見物客。

写真下:昨年7月に撮影されたコンシェルジュリとセーヌ川。通常はこれくらい。

2_3

写真下:ノートルダム大聖堂前

3_2

4_2

5_2

一部地下鉄が不通になるなど交通網がマヒしているのに加え、労働法改正反対で国鉄、飛行機、電気、バス、管制塔、ガソリンスタンド、トラックがストライキ中のようです。踏んだり蹴ったりのパリ。混乱は当分続きそうとのことです。

鹿児島県も梅雨入りしています。大雨には気をつけなければなりませんね。

2016年4月25日 (月)

黒田清輝の足跡をたどって

昨年度、本校美術教諭の上原先生がフランスへ美術留学をされ、このブログにも定期的に「パリだより」を送ってくださいました。

その「パリだより」がきっかけとなり、この度、NHK・Eテレの番組「日曜美術館」のホームページに取り上げられました。鹿児島出身の画家・黒田清輝の足跡を追った旅コラム「日美旅(にちびたび)」で紹介されています。ぜひ、ご覧ください。

◆NHK・Eテレ「日曜美術館」(毎週日曜日午前9時放送)

日曜美術館ホームページ内 旅コラム「日美旅 第3回フランス・グレー村へ 黒田清輝旅」

http://www.nhk.or.jp/nichibi-blog/

2016年3月23日 (水)

パリ,最後の夜です

Bonjour!

 今はフランス時間で3月23日(水)午前1時30分です。明日の今頃,私は日本に向かう機上の人です。

20160323

 長かった留学が終わろうとしています。支えてくださった全ての方に心よりお礼申し上げます。約1年間の貴重な経験,何かしらの形で甲南生に伝えることができればと思います。また,今年12月には鹿児島市立美術館で今回の留学の成果を発表する「滞欧作品展」も予定しています。鹿児島の芸術文化に微力ながら貢献していきたいです。

 一言では語り尽くせない充実した日々,たくさんの思い出をつくることができました。テロ事件という悲しい出来事もありました。日本でも報道されている通り,昨日ベルギー・ブリュッセルで再びテロ事件が発生してしまいました。ますます混迷する世界情勢。正しい判断をして危険を避けることは大切ですが,世界に目を向けることに億劫にはならないでほしいと思います。 

 私も最後まで気を抜かず,元気に鹿児島に帰ります。

À bientôt!(また近いうちに!)

2016年3月16日 (水)

欧州便り 「最果て」で意志固める

3月16日付の南日本新聞朝刊に,4回目の「欧州便り」を寄稿させていただきました。

20160316

写真下:ロカ岬を描いた水彩画

20160316_2

写真下:ロカ岬の石碑の横で(この日,踏んばらないと飛ばされそうなくらいの強風でした)

20160316_3

ーーーーーーーーーーーーーーー

 2月,私はポルトガルのロカ岬に立った。真冬の大西洋は厳しい。強烈な風が絶え間なく吹き,波は渦を巻いて白いうねりとなって岬の断崖に打ちつける。ユーラシア大陸最西端に位置するここは,極東の日本から見てまさに「最果て」の地だ。眼前に果てしなく広がる大海原を眺めていると感慨深いものがあった。

 留学中,フランス国内はじめヨーロッパ各地を歩いた。どの美術館でも素晴らしいコレクションに舌を巻いた。世界的に知られた史跡の数々には胸打たれ,古代の人々に思いをはせた。行く先々でスケッチをして,美しい風景を目に焼き付けた。

 しかし,時に,これといった特別な理由なく,漠然と「あそこへ行ってみたい」という好奇心からの旅もあった。きっかけは,ある本の一節のことがあれば,地図を眺めていて地名が目に止まったということもある。一度気になったら忘れることができず,その場所の勝手なイメージだけがどんどん膨らんでいく。ロカ岬もその一つで,最西端という響きだけが心を捉えて離さなかった。

 明確な理由のない旅。それは,土地の様子や暮らす人々の生活ぶりをくっきりと映し出した。薄暗い裏路地に人生の機微を見た。地図を見ずに気の向くまま歩いて思わぬ発見があった時は小躍りした。なじみの客しかいない小さなレストランのおやじの顔に刻まれた深いしわが,長い人生を何よりも雄弁に語っていた。旅先で出会った人の数や踏みしめた石畳の長さ,そういったものが私の中に一つ一つ記憶の層となって積み重なっている。

 ロカ岬に立つ1本の石碑には,ポルトガルの詩人カモンイスの言葉が刻んである。

「ここに地果て,海始まる」

 海の向こうが未知の世界だった大航海時代,果敢に海へこぎだしていったポルトガル人をたたえた叙事詩の一節なのだそうだ。私は岬に立ち石碑に触れた時,固い意志を感じるこの言葉を握りしめこれから生きていこうと決めた。

 人生は,なぎと嵐の繰り返し。私は強い人間ではないから,荒れ狂う海に飛び込まなくてはならない時に背中を押してくれるものがほしい。心かき乱されることが起きた時,平静に戻る力がほしい。一筋の光で導き,すがることができる小さな羅針盤のような存在。それに「最果て」の地で出会えた。

(第69回南日本美術展第20回吉井賞受賞者)

2016年3月13日 (日)

作品寄贈式を開催していただきました

Bonjour!

 遅くなりましたが,3年生の皆さん卒業おめでとうございます。何事も健康第一。元気にこれからの道を歩んでください。そして,「学びにUK」1期生15名,お疲れ様でした。多くのことを肌で感じ学んだことでしょう。ぜひこれからの人生にいかしてください。


 昨年,私はフランスの田舎町グレー・シュル・ロワンに滞在して風景画を描きました(2015年11月8日付のパリだよりに書きました)。その時の作品をグレーに寄贈することになり,寄贈式を3月12日に開催していただきました。

写真下:気持ち良い快晴に恵まれました

20160313

この日,グレーの市長,助役はじめ地元の皆さん,お世話になったオテル・シュヴィヨンの館長さんなど多くの方にご臨席いただきました。

皆さんの前で作品についての解説,そしてグレーに対する思いをお話ししました。さすがにフランス語では無理なので,モアンヌ前田恵美子さん(甲南高校卒業生)に翻訳していただきました。

写真下:多くの方が来てくださいました

20160313_2

写真下:グレーの市長さんと

S__2080783

20160313_3

写真下:いただいた寄贈証明書と記念メダル

20160313_4

フランス語で書かれた証明書,ずっしりと重いメダル。一生の宝物です。

20160313_5

作品はグレーの役場に飾られます。フランスに自分の作品が残るということは,大変光栄なことです。これまで鹿児島からの留学生10名が私と同じように作品を残しています。黒田清輝以来続くグレーと鹿児島の縁,これからも続いてほしいです。

写真下:この日はパリも久しぶりに終日快晴

20160313_6

20160313_7

夕方,寒さが和らいだこともあり,街にはたくさんの人が出歩いていました。

写真下:セーヌ川沿いでそれぞれの時間を過ごす

20160313_8

20160313_9

写真下:夕暮れ迫るパリ

2016031310

写真下:橋の上から夕陽を眺める人々

2016031311

肌寒さの中にも春の匂いを感じられるようになりました。長かった留学も本当にあと少し。「いよいよ帰国かあ」というさみしい気持ち以上に,部屋の片付けでゆううつになっています・・・。

À bientôt!(また近いうちに!)

2016年2月21日 (日)

フランスの郵便事情

Bonjour!

 3月の帰国に向けて少しずつ準備をしています。いくつか手続きがあるのですが,そのひとつに住宅保険解約があります。アパート退去日の1ヶ月前までに解約依頼書を「配達通知付き書留」で送らなくてはならなかったので,近所の郵便局から保険会社へ送りました。

 普通郵便は時々送るのですが,書留を送ることはほとんどないので苦労しました。近所にある郵便局のスタッフさんは,(フランスでは珍しく?)丁寧な人なのでわかりやすく説明してもらい,無事送ることができました。

写真下:自宅近くにある郵便局

20160221

夏のバカンスシーズンには,2ヶ月くらい閉まります。驚きです。

写真下:局内にある切手販売機

20160221

機械の上に郵便物を載せて重さを量ります。処理速度はお世辞にも速いとは言えません。

写真下:フランスの郵便ポスト

20160221_2日本は赤ですが,フランスは黄色です。ちなみにスペインも黄色。イタリアは,赤が国内用で青が海外用。

写真下:街中でよく見かける集配車

20160221_3

写真下:海外発送用の切手

20160221_4

 何事にも「お国柄」があるもので,郵便ひとつとってみても日本とはずいぶん違います。フランスの郵便局については,正直よい評判は聞きません。ここでは詳しくは書きませんが,ひとつ挙げると「郵便物が届かないことは日常茶飯事」です。パリ市内からパリ市内宛の手紙が届かない,なんて冗談みたいな話も聞きます。もっと知りたい人はインターネットで「フランス 郵便事情」と検索してみてください(私は昨年4月の渡仏時,日本から送った荷物がいくつか行方不明になりました。結果的に無事届きましたが)。

 郵便だけでなく,日常生活の中で日本との違いはたくさんあります。ひとつひとつに驚いていたり腹を立てていたらきりがないです。「まあ,こんなものか」と割り切ることが海外生活の秘訣のひとつかもしれません。

À bientôt!(また近いうちに!)

カテゴリ