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2015年8月24日 (月)

グレー・シュル・ロワンと黒田清輝

Bonjour!

  生徒の皆さんは「黒田清輝(くろだせいき)」という画家を知っていますか。鹿児島出身で明治時代に活躍,日本の美術界に大きな足跡を残した画家です。

 法律の勉強のため黒田は18才でフランスに渡りますが,のちに画家を志すようになります。その黒田が留学中の一時期滞在したのがグレー・シュル・ロワン(Grez-sur-Loing)という小さな町です。パリから南東約60キロに位置するこの町で彼は素晴らしい油絵を多く描いています。

写真下:町を流れる川。夏は水遊びの観光客で賑わいます

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 このような縁から,鹿児島からの美術留学生が毎年訪れ制作をしています。先日,私も滞在の下見でグレーを訪ねました。豊かな自然に囲まれた人口1300人の町は静かで美しいところでした。この日,滞在中お世話になるジャンさん・マリアさんのご夫婦とお会いしました。心優しい親切なご夫婦でした。

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 グレーに15年前,黒田が滞在していたことを記念して「黒田清輝通り(Rue KURODA Seiki)」ができました。フランスにおいて日本人の名前が通り名になるなんてまずないこと。とても小さな道ですが趣のある通りでした。

写真下:昼下がりの「黒田清輝通り」

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 通り沿いの壁には名を記した看板と命名記念の石板が掲げられています。石板はこの地で採れた石に地元の職人が文字を刻んだもの。「黒田清輝」の元になった字は,鹿児島県知事であった故・須賀龍郎氏が書かれたものです。

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 「黒田清輝通り」誕生に尽力された方がいらっしゃいます。モアンヌ前田恵美子さんとピエールさんのご夫婦です。恵美子さんは40年以上パリに暮らしていらっしゃる女性で甲南高校の卒業生。皆さんの大先輩です。4月の渡仏以来,私はこのご夫婦に大変お世話になっています。

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 秋が深まる10月に約10日間滞在してグレーの美しい風景を描く予定です。今から楽しみです。

 À bientôt!(また近いうちに!)

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