ルーブル美術館 カルコグラフィー工房
Bonjour!
先日,ルーブル美術館の「カルコグラフィー工房(chalcographie:銅版画)」を見学させていただきました。昔,この工房に在籍されていた私の大学時代の恩師が久しぶりにここを訪ねるということでご一緒させてもらったのです。
この工房は1797年の設立以来,歴史的貴重な版画の原版管理や技術の伝承を行っています。また,ヴァン・ダイクやマネといった美術史上の画家から現代作家まで,多様な版画作品もプリントしています(これらはルーブル美術館のミュージアムショップで購入することができます)。
写真下:一定の温度湿度の下,厳重に管理されている原版
工房スタッフの丁寧な作業を見ることができました。
写真下:素手で余分なインクを拭き取っています
写真下:プレス機に原版と紙を慎重にセッティング
写真下:きれいに刷り上がった版画
この日,カルコグラフィー工房に隣接する「ムーラージュ工房(moulage:型抜き成型)も見学させてもらいました。こちらも1794年設立という伝統ある工房。ルーブル美術館の彫刻コレクションの鋳型はじめ、フランス国内外の彫刻の鋳型を数多く所有。広い工房内には「ミロのヴィーナス」やミケランジェロの「モーゼ像」「ハムラビ法典の石棒」などなど5000点にのぼる鋳型が所狭しと並んでおり,圧巻の一言でした。
通常入れない工房を見学できたのは貴重な経験でした。
伝統的なものを継承していくことは,手間や時間,お金がかかることです。今回見学した工房も大変だと思いますが,後世にしっかり引き継がれてほしいですね。
À bientôt!(また近いうちに!)