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甲南高等学校

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2022年4月 6日 (水)

令和4年度 始業式式辞

本日から,令和4年度の新学期がスタートする。

終業式で長めの話をしてからあっという間の新学期だが,皆さんはどんな準備をしてこの場に臨んでいるだろうか。春休み中も,様々な部活動の音が校内にこだまし,普通の景色を取り戻しつつ,今年度が始まる。今13人の先生方を紹介したが,明日は322人の新入生も迎える。新生甲南高校のスタートだが,生徒諸君も,新たな気持ちでそれぞれの思いを胸に,この場に臨んでいると思う。 

さて、今年もコロナへの備えと共存しながらの日々になるが,今年度切り替えのニュースで,高校を話題にしたものも多かった。象徴的な二つが,18歳成人制度の導入と,新学習指導要領の導入である。前者については,来週話したいが後者については,新入生からの話だが,その背景と,皆さんの,学校の取り組みとの関連で話したい。科目名一つとっても,例えば国語は,現代の国語,言語文化を学び,地歴は地理探究など,公民では公共と,いろいろな面で様変わりする。情報についても,プログラミングが内容に入り,共通テストでも課されるなど,多くの変更点がある。ただ象徴的なことで「探究」のことが話題になっている。言葉としても分かり易く,イメージも抱きやすいから話題になるのだが,NHKの全国ニュースでいち早く取り組んで成功している例として京都市立堀川高校のことが取り上げられていた。課題研究を通じての取り組みが1999年から行われ,現在では,京都府内でもトップの大学進学実績という内容だった。国を挙げて,教育改革を行う背景には,これまでの知識・技術のみではない問題解決力を身につけてほしいという狙いがある。そのための課題研究であり,実は研究の過程の中には教科を超えて,共通テストでもその傾向が顕著だが,課題解決力,資料読解力といったものが求められている。

翻って,本校ではどうか。SSHの取り組みも今年は三年目になり,全学年での取り組みになる。一方で先の堀川高校にそれほど遅れること無く,2001年からKIプロジェクトを開始し課題研究に取り組み続けた歴史もある。どう深化した姿を見せてくれるのか,楽しみにしたい。

 こういったことも含めて,年度当初にお願いしたいこと三つ上げたい。一つはそれぞれの「なるべき姿」を意識してほしいということである。本校では身につけるべき能力を「キャリア・パスポート」にも示し,先生方からもこれまで話があったであろうが,8つの資質・能力を示している。再度確認をしてほしいが,教養・協働する力・表現力・思考力・行動力・創造力・自己分析力・探究する力であり,それぞれについての逐条解釈も行いたいが,今後また話したい。

二つ目に,これらのことを踏まえて「勉強から学問へ」ということだ。二年生には,冬の課外で話をし,感想もいろいろもらった。対立軸としてどちらがを考えてもらうのではなく,取り組みの仕方として考えてもらいたいことである。マスターピースでも書いたので,そこで見てもらってもいいが,最初は自分を強いる勉強が必要だと思うが,さらには,何故かを問い,自分の枠や概念を突き破るような営みをしてほしい,即ち,何をどう問い,どう取り組むのかに真摯に向き合ってほしいということだ。ある年の宮中歌会始の入選作品に,「この本に全てがつまっている訳じゃない。だから私が続きを生きる」というものがある。15歳の中学生の作品だ。得られたものに留まらない強い姿勢を感じるものである。

三つ目に「アウフヘーベン」ということ。これも,昨年の進路の手引きに書いたことなので,詳しくはそこを見てもらったらと思う。端的に言う。変化せよ,しかも,現状を批判的に見る立場も包含しながら,更に高いレベルを目指せ,ということである。皆さんの集中力,粘り強く取り組み続ける力,連携する力,評価すべきことは多い。だからこそ,それでいいのか,もっと外には,という意識で,謙虚に他者と繋がりながら,よりそれぞれの可能性を広げてほしいと思う。「高いレベル」という言い方には,世俗的な意味でないものを,それぞれが感じてほしいと思っている。

本校の教育目標は,「地球規模でものを考え,行動するリーダーの育成」である。何故,地球規模なのか,まずは,自分自身の身近なことからではないのか,いろんな考えがあるが,やはり広い視野の下で,自身の志をしっかり持つことが未来を開くリーダーの資質になると考えている。そのためには,自己に真摯に向き合い,肯定的に,積極的に目標を立ててほしいし,その志は,決して利己的なものではなく,利他に通ずるものであってほしいと思う。これから先に待つ様々な困難に対しても,利他の精神は,必ず,自助につながるものだと思う。 

新学期の始めということで,広い話をしたが,一年間共に過ごさせてもらい,甲南高校の素晴らしさをより感じる。しかし,それは与えられたものではなく一人一人の努力によって形作られてきたものであることは,間違いなく,その営みに一緒に当たれる喜びも大きい。

 生徒諸君一人一人が,真の甲南生になるための奮闘さらにはそれが未来へつながることを祈念して,式辞といたします。

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