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2017年2月21日 (火)

第2回高校生国際シンポジウム2日目(2月4日)

2月4日(土)、第2回高校生国際シンポジウム2日目は、前日と同じくサンエールかごしまで開催されました。

写真下:来場者を迎える甲南高校生徒会執行部。

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午前10時30分から研究発表コンテスト第3部が始まりました。

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ポスターとパワーポイントを使ったプレゼンテーション。英語での説明は事前に練習できても、その後の質疑応答は本当の英語力が試されますが、どのグループも丁寧に受け応えをしていました。


午後からは、パネリストとしてもご参加いただいた日下部元雄さん(元世界銀行副総裁、株式会社オープン・シティ研究所所長)による講評・講演がありました。『 これからの社会課題にどう向き合うのか』という演題で話してくださいました。

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昨日から続いた研究発表の講評を、高校生がこれからの社会課題にどう向き合えば良いのか、という視点で丁寧で分かりやすく伝えてくださいました。

世界銀行でも重要視していたのは、

①アクティブラーニング

②グループラーニング

③competenceラーニング

だからこそ、課題研究を高校教育で行うことの意義があり、今回このようなシンポジウムが設けている意味を再確認しました。 その上で、課題研究とは何か?をさらに考えます。

①課題の選び方の重要性

②リサーチクエスチョンの設定

③方法論(研究の仕方)

④実際行動するための戦略(本来なら動くためのお金を取って来るところまで考える) 例 クラウドファンディングなど。

「昨年は、グローバルな課題が多かったが、今年は地域や身の回りから課題を見つけたグループが多数みられた。 高校生では、まずは身の回りから課題を見つけ、それがいつかは世界につながる課題にもなりうるし、そうするための思考力を身に付ける事が、大学に入って社会に出た時にすぐに行動に移すことができる」という講評および講演でした。

リサーチクエスチョン(問い)や、方法論に関しては、生徒の発表ではまだまだ弱い部分がありましたが、1日目のパネルディスカッションにあった『多様性』の不足が関係しているのかもしれません。


続いてゲスト講演として、益田隆司さん(公益社団法人船井情報科学振興財団)が『高校生とこれから 〜未来へと向かって〜』という演題で話してくださいました。

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軽妙な語り口で会場の笑いを誘っていましたが、昨日のパネルディスカッションで話題に出た『多様性』について、具体的なお話も含めて講演してくださいました。その中で出て来たキーワードは『批判的思考力』。

暴力的でネガティヴなイメージで誰かの意見を批判することではなく、1つの課題や意見に対して「なぜそうなのか?」「日本ではこうだけど、世界からみたらどうか?」「昔はこうだけど、未来は?」など、様々な視点で掘り下げていくこと。

『多様性』を生むための『批判的思考力』。

日本の教育には、単民族国家であるが故の「和を以って尊ぶ」「出る杭は打たれる」など協調性を大切にすることが美徳とされてきました。もちろん、それがいい、悪いではなく、グローバル社会になってきたからこそ、進化していくために必要なものが『批判的思考力』なのでは? という提案をされました。日本の教育にも足りないものの1つだそうです。

現在、日本の大学トップである東京大学をもってしても世界で50位。 国内だけではなく世界を見る、そして今の日本の教育はそれで良いのか?ということも改めて考えさせられる講演でした。


【表彰式・閉会式】

表彰式で、プレゼンテーション、ポスター両部門の入賞者が発表されました。入賞者は次の通りです。

〇プレゼンテーションの部

[分野1]

最優秀賞 「より良いトイレで災害時も健康に」甲南高校2年 谷口 智海

 優秀賞 「日本における心的復興支援・災害予防措置に関する考察」

      甲南高校2年 中島 瑠果

 優良賞 「グローバル化におけるパイロット不足に関する考察」

      甲南高校2年 友岡 梓

[分野2]

最優秀賞 「低栄養の認識を高めるためには」甲南高校2年 山内 美奈

 優秀賞 「子ども食堂の可能性とは」甲南高校2年 豊島 鈴

 優良賞 「食品の『もったいない』をかたちに示そう」甲南高校2年 伊島 実咲

[分野3]

最優秀賞 「鹿児島県における女性の四年制大学進学率に関する社会的考察」

      津曲学園鹿児島修学館高校1年 中村 響

 優秀賞 「日本に住むハーフにとって住みやすい環境を!」

      甲南高校2年 岩元 美月

 優良賞 「手洗いによる衛生環境改善 〜リーフレットで啓発活動〜」

      甲南高校2年 坂口 夕芽

〇ポスター発表の部

[分野1]

最優秀賞 「南日本における巷のアリの地域間比較Ⅴ-外来アリのモニタリング-」   池田学園池田高校1年 藤田 祥帆

 優秀賞 「災害にいきる風の力」宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校5年 大久保里南

 優良賞 「グローバルたくあんプロジェクト -出張ビジネスマンの動向分析」

      宮崎大宮高校2年 小山田晃輔

[分野2]

最優秀賞 「インターバル速歩による健康寿命増進に関する考察」

      甲南高校2年 濵砂 梓恩

 優秀賞 「鹿児島市における未来型コミュニティづくりの考察」

      甲南高校2年 大久保 遼

 優良賞 「鹿児島県における温泉による観光促進についての考察」

      甲南高校2年 内園 貴子

[分野3]

最優秀賞 「女性議員を増加させるためには」甲南高校2年 児玉 沙江

 優秀賞 「『結』-現代における地縁と伝統文化-」宮崎大宮高校2年

      甲斐 文也、橋本 康平、曽我部 智寛、清水 奈実

 優良賞 「有機野菜の良さとは」宮崎大宮高校2年 齊藤 桃花

      中城 綾乃、山本 茉奈、野中 すず

今回のベストプレゼンターは、甲南高校2年の谷口智海さんが選ばれました。表彰式で、改めてプレゼンテーションをしてくれました。テーマは、災害時におけるトイレについて。

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身近な課題ですが、早急に解決しなければならないことですよね。阪神淡路大震災などの事例も含めてリサーチ、提案、素晴らしかったです。おめでとうございます!


2日間に渡って開催された第2回高校生国際シンポジウム。支えてくださった全ての方に御礼申し上げます。

最後は記念撮影。今回の出会いに感謝して、また来年お会いしましょう。本当にありがとうございました!

写真下:入賞者の皆さん、おめでとうございます!

Photo_13写真下:全員で記念撮影。高校生の溢れる笑顔が素晴らしかったです。

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